① 国際段階の原文と国内段階での翻訳文の整合性
国内段階移行時の翻訳文は、国際公開された原文に忠実であることが求められます。流暢さのために原文を書き換えるような翻訳をしていないか、チェックする必要があります。
実務解説
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PCT(特許協力条約)ルートによる国際出願は、多くの大手企業が活用している外国特許取得の主要ルートです。しかし、PCTの翻訳には一般的な特許翻訳とは異なる注意点があります。
本記事では、PCT翻訳の実務フローと、知財担当者が押さえておくべきチェックポイントを整理します。
PCT出願では、出願時は1ヶ国語で国際段階の手続きを進められますが、各国の国内段階移行時に、その国の言語への翻訳提出が必要になります。
実務上の重要性
この翻訳の精度が、各国での権利取得の成否に直結します。また、国内移行期限は厳格に定められており、翻訳の遅延は権利喪失につながります。
各言語、各国の移行要件によって、翻訳の仕様、翻訳証明の要否、提出形式が異なります。
① 国際段階の原文と国内段階での翻訳文の整合性
国内段階移行時の翻訳文は、国際公開された原文に忠実であることが求められます。流暢さのために原文を書き換えるような翻訳をしていないか、チェックする必要があります。
② クレームの翻訳精度
PCTにおいても、クレームの翻訳が最も重要です。特に、クレームの翻訳に誤りがあると、各国での権利範囲に影響が出ます。国際調査機関の調査結果との整合性も意識した翻訳が求められます。
③ 各国要件への対応
国によって、翻訳証明の要否、翻訳者の資格要件、提出フォーマット等が異なります。特にEPC諸国では、翻訳の形式要件に厳格なルールがあります。発注前に各国の要件を確認しておくことが重要です。
④ 翻訳とともに提出する書類の整合
図面、要約、図面の簡単な説明などは、翻訳と整合している必要があります。図面内のテキストや符号の説明の翻訳漏れは、補正対象になることがあります。
⑤ 納期管理と余裕の確保
国内移行期限は絶対的な締め切りです。翻訳発注から納品、チェック、代理人への提出までのリードタイムを考慮すると、移行期限の1〜2ヶ月前には翻訳発注を完了させておくことが理想です。
PCT翻訳は、国内出願の翻訳と比べて、期限管理、多言語対応、各国要件への対応という3つの複雑さを持ちます。実務フローを標準化し、翻訳会社との情報共有を密にすることが、国際特許ポートフォリオの安定運用につながります。
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